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  • [都リハ ] Day12 立てば歩めの車椅子

    這えば立て

    立てば歩めの車椅子

     

    歩行に問題がなかった頃なら、「頑張ったんだなこの人は」と、どこか距離あるところから応援している気持ちで見ていたことだろう。

     

    この絵手紙に出会ったのは、今日の作業療法室。患者の作品を展示している壁に、大きく車椅子が書かれ、その間に字を押し込むように収めてた。はみ出す勢い。ところどころ掠れている文字。

     

    これから作業療法が始まるというのに。31文字に心の中心を射貫かれ、身体が固まり、動いてるのは涙の雫だけだった。当事者感に勝る感動と共感はあったもんじゃない。

     

    私は這うこともできない状態から始まり、立てたときには執刀医全員に握手を求めた。立ってトイレに入れたとき、ガラス越しに見えた東大病院の検査エリア。あそこはまだ歩けた頃にファイルを持って歩いてた場所だ。

     

    いつかまた。立てるようになったんだから。いつかは歩いてあそこに行きたい。外来患者として行きたい。あそこに見えてた人は冬服だった。あれから3ヶ月。私はいま、2本杖で見守り歩行をはじめて3日目だろうか。

     

    1本杖の外来患者として、堂々と東大の外来に行きたい。

     

    君が主治医でなくなったことだけが残念だ。

     

     

    <本日の記録>

     

    リハビリ内容

    PT

    鈴木先生は3連休の初日。今日は足のマッサージから。寝転んで足を挙げ、上から下から。足を立てて左から右から。それぞれ力比べをするが、足を挙げる運動だけは左右差が大きく、力に抗えず押し込まれてしまう。左足付け根でボールを潰す・杖で2周歩行・バーで横歩き・かかとを挙げる など

     

    OT

    今日は腰痛が弱かったのでホットパックなし。椅子で太もも内側のマッサージ。相変わらずこの部位は凝ってる。ボールを股に挟んで潰したり、ゴムで縛って左・右へ引っ張る運動。杖でOT室を一周。電気が点滅したところを押すゲームを3分。段々背中が曲がってくるものの身体の揺れなし。98点を叩きだし上l機嫌で終わる。

     

    自主トレ

    歩行器(アルコー)1時間。これを打ったあと30分歩行予定。昨日はムリに上体を起こさぬように歩いたせいで今日の腰痛が軽かったのかもと考え、前屈みになってはいるけど、歩行器から肘が少しでる角度で歩行。今現在も腰への痛みは軽微。杖の見守りは2周。歩きながら色々話しかけないでくれたので2周いけたけど、歩いてるときに話しかけられると気が散って危ない。今日の男性看護師さんのように、後ろからそっと見守ってくれるのがありがたい。2周目後半は上体が少し傾いだ。

     

    体調変化など

    ジャージをLサイズにしてもらったはいいが、このシリーズとは異なる色の違うものを提供され、足が短くて寒い。女性用の長さじゃなかろうか。太もも部分は緩いんだけど。相変わらずChatGTPで飛ばす妄想の翼はリハビリの張りになる。

     

     

  • [都リハ] Day11 GVHD

    GVHD(移植片対宿主病)は残酷な後遺症だ。白血病の治療のために骨髄移植を受けたことで発症。闘病は15年になるはずだ。急性GVHDから慢性GVHDに移行。昨年冬の段階では、もう自分で車椅子を動かせず、週に一度家族が車椅子を押して外出。ステロイド剤の影響で思いっきりムーンフェイスだ。肌が荒れ、突っ張ってるのが分かる。

     

    そんな彼の顔写真を見たのは新聞のコラムだった。私自身も安全に明日が来るとは言えない。思いきって新聞社に連絡。紆余曲折を経て電話が繋がった。声はほぼ変わらず。口の中はびっしりと口内炎。一体何を食べて生きてるんだろう。話す内容はともかく、陽気に自己開示し続ける姿は大昔のまま。しかしもう、他家の旦那さんになっている彼だ。

     

    私は彼の11歳から20歳までの姿を知っている。よく知っている。いわゆる彼氏だった男だ。何をさせてもソツなつこなす、容姿にも恵まれた同級生。

     

    白血病が分かったのは、44歳になる年始の発熱。なかなか熱が下がらんので年明けに通院。そこで白血病だと指摘を受けた。そこからは再発が日々目の前にある生活。同年8月に再発。なんとかドナーが見つかって移植を受けたものの、今度はGVHDの長期化。手足のこわばりがじわじわと進行。手に力が入らずコップを落とすことが増えて分かったそうだ。日々ボタンを止められない。その度に自分の身体の変化に直面させられて悲しい。

     

    次は55歳で歯肉ガンを発症。歯を5本抜いて歯肉を取り除いた。どこの歯かまでは聞けなかったが、とろみのある食事だってことなので、奥歯なんだろう。

     

    もう他の家の旦那さんになってる元彼に言うのもナンだけど、すれちがいの自然消滅だった交際相手には悪い思い出がないだけに、今でもどこかしら自分の延長のような気持ちがする。そして、本当にこんなことを言っちゃいけないんだけど、あのまま私と結婚しなくてよかったなとも思う。私、いまリハビリ病院にいるんだから。そういう体調の夫と暮らしてれば40代で共倒れになっていただろう。

     

    健康な女性と結婚していて本当によかった。

    そしてせめて、親でも知らない彼のことも含め、私の記憶の中では元気な彼を留めておきたい。私が忘れなければ、元気な彼はずっとずっとこの世に残る。元カノができるのはこれだけだ。

     

    元カノの心が塞ぐくらいだから、家族の心痛はいかばかりか。連絡が途絶えて1年。怖くてLINEを繋ぐことができない。

     

    ステロイド剤を大量に使っても症状が悪化する一方。じわじわと健康を削り、治療もできず、静かに死を待つ。これが強度のGVHD。しかもガンの再発とともに薄氷を踏む思いで暮らしてるんだろう。生きている間に、小さな幸せをできるだけ沢山拾っておいて欲しい。

     

    今日のリハビリソングは、13歳の誕生日にくれたレコードの歌。「どの子にもひとつの命が光ってる。呼び掛けよう名前を。素晴らしい名前を」と歌う命の賛歌。裏面は英語。この歌の英語を聞き取りたくて、文法を知りたくて、毎日毎日聞き続けた。私の英語力の礎を作ったのは彼だ。

     

    今日はその歌がリハビリソング。ちょうどこの日、私はレコードを受け取った。名前を呼ぶから、命がまだ光ってて欲しい。

     

    死ぬなよ。一緒に還暦を越えようぜ。

     

    小学生から大学生までの共に過ごした元カノからの切なる願いだよ。

     

    生きろ。君はもう59歳になっている。あと1年弱だ。どうか還暦を越えてくれ。

     

     

    <本日の記録>

     

    リハビリ内容

    PT

    寝返り練習は90度で左右回れるようになっていた。ベッドに手をついて骨盤を前後左右に動かす。昨日同様、ベッドから降りる練習。そこから正座、は太ももの張りがつよくてお尻がかかとにギリつかないため、枕を2個挟んで正座。それでも太もも前側に強い張りがある。ベッドから降りるときに右足がひっかからなくなった。ベッドに戻るときは背後から引っ張ってもらう必要がまだある。四つん這いで往復。バーの左側を握って何度も往復。敢えて弱い左側を軸足にして1本杖の練習。片足立ちは左右の足とも3秒台で倒れる。最低30秒できないと安全歩行は厳しいとのこと。足を縦に並べて手を離すのは30秒程度可能。歩行器ではじめて外に出た。病院前の緩いスロープを含む移動。まだフリージアが咲いてる時期なのね。

     

    OT

    固い筋肉をほぐす(骨の中心が痛い)ホットパックの後揉みほぐし。両足とも太もも内側を揉まれると激しい筋肉痛レベルで痛む。2本杖でリハビリ室をテンポよく歩行。座って足あげし、上から押す力に抵抗して押し返すチェック。両足の上がり方の差はたった5cmくらいまで縮小。押し返す力の左右差も。左は、5点満点評価で左3.5 右は4。

     

    自主トレ

    歩行器(アルコー)1時間。入浴後は体力を持っていかれるので欲張らず。堂々と杖なしで颯爽と歩いてるにーさん、完璧に歩けてるのにまだストイックに続けている。見習いたい。看護師見守りの2本杖歩行は、直前に寝入ってたのでふらつきあり。そうでなければ院内2周は可能だったとみている。

     

    体調変化など

    入浴日。出入り口の一番滑る20センチのタイルを1歩で乗り越えた。着替えで介助されたのは臀部洗いと左靴下あげのみ。ズボンは足を組むことでクリア。自室カーテン内で、全く何もなく歩けてることに気づく。ただコルセットをつけてないので、やはり身体が前のめり。両手の湿疹に軟膏処方。

     

    遠くに行くときは歩行器。そうでなければ2本杖も視野に入ってきた。片足立ち可能な時間は、私の年齢なら1分は必要とのこと。そこがクリアできれば、1本杖に戻せるかも。

     

    太ももに布団がかかってるかどうかがわからない。今朝はカーテンを巻き込んで寝てた。太ももの感覚異常は結構しつこい。シャワーが当たると、他の部位より熱く感じる。耐えられないほどの温度ではない。

  • [都リハ] Day10 リハビリソングはWANIMAの「ともに」

    1時間近く狭い病棟をくりんくりん歩き続けると正直ヒマなんだ。同じ景色を何十回見たら気が済むんだよ。同じナースと何十回も顔を会わせてたら気まずいわ。どの人に挨拶したのかもわからんようになる。

    とにかくヒマ問題を解消すべく、リハビリソングをヘビロテで脳内再生。一番気合いが入るのがWANIMAの「ともに」。若い人たちに言うと「え!そっち系っすか!!」とかなりビックリされる。前も書いたなw

     

     

    特に「ともに」はリハビリによろしい。

     

    涙こらえ笑って生きてる 崩れそうになりながら毎日ビビってる 疲れはてるまで繰り返す きっと もっと

    どれだけ過去が辛くて暗くても 昨日よりも不安な明日が増えても 悩んだり泣いたりする今日も 進め君らしく 心踊る方

    冗談じゃない まだ諦めてない 全て追い越して なにもかも置き去りに 思い描いた その先へ

     

    思い描いたその先へ。

     

    医師やリハビリ担当者が思い描くのは二本杖で辛うじて歩く私。

    だから私は、思い描いたその先へ行こうとする。

    まだ10日だよ。でも、私は既に病院内を二本杖で歩き始めた。

     

    度肝を抜いてやる。

     

     

    <本日の記録>

     

    リハビリ内容

    PT

    足をあげてがに股にした姿勢、もう3病キープどころじゃない。手を離されてもあげっぱなしで大丈夫。ボールの上で足を上下するとき、身体が右へ右へ動いてるとの指摘。からだのイメージがずれてるんだろう。ベッドに手をついて骨盤を前後左右に動かす。昨日同様、ベッドから降りる練習。そこから正座、は太ももの張りがつよくてお尻がかかとにギリつかない。ベッドから降りるときに右足がひっかからなくなった。四つん這いで往復。寝返りの練習は、からだが45度で止まってるとの指摘あり。バーの中で杖をつく練習。慣れてる左杖の方が断然安定して速い。左杖だと弱い左足を軸足にすることになるが、力の差は、右を10とすれば左が8.5らしい。悩みどころだねえとのことだ。

     

    OT

    固い筋肉をほぐす(主に左臀部の痛み)両足とも太もも内側を揉まれると激しい筋肉痛レベルで痛む。骨盤あげは、きちんど腰まで上がるようになった。

     

    自主トレ

    歩行器(アルコー)は昼食前に40分連続。夕食後に25分、これを打ち終えたらあと25分あるいて、今日も1時間半の歩行予定。

    左足がまっすぐ床についてるんだろう、足の裏がマグネットでひっつけられたようにピタッと床に密着し、狙ったところに着地する。右より左足の方が力強い。昨日と異なるのは、角を曲がるときに上半身と下半身がねじれることがなくなったこと。体幹の力がやや戻ったか?

     

    体調変化など

    ジャージの下が明らかにずり落ちはじめた。明日はLサイズにしてもらおう。上半身を使う機会があんまりないのが残念だが、動かしてる足は確実に痩せてる。筋肉を戻しながら痩せてる。「痩せる」っていい響きよねw

    子供時代の君に向けての記事を、本当に子供宛の文章にリライト。きっと刺さるよ。絶対刺してやる。

     

    攻めてこそ私だ。

  • [都リハ ] Day9 問題は骨盤かも知れぬ

    夕食後の血圧が164なんてあり得ない数値を叩きだした。再測定で110台まで下がったものの、恐ろしいので夜のウオーキングは止めた。背骨のリハビリ中に脳出血まで起こしたらシャレにならんじゃないですか。

     

    はじめて骨盤から臀部を持ち上げたら、腰が見事に死んだ。ほぼ上がらない。多分この激痛は傷の末端部分に原因がある。常にぎゅーっと痛む。あがったか上がらないかレベルで腰を持ち上げる。この運動ははじめてだ。

     

    その後歩いて気づいた。左右の足裏に均等に力がかかるようになってることに。まだ角を曲がるときに身体がねじれるので、カーブするときの歩幅は4文の1くらいに刻んで歩く。でないと、足が遠心力に耐えられず、カーブの外側に引っ張られて危ない。

     

    これまで左右差なく足裏が床につく経験をしてないので、今日はじめてやった骨盤周辺の運動に、何らかの原因があるんじゃないかと踏んでいる。

     

    早々にベッドに横たわったら爆睡だよ。健康的な生活をしてるというのに、なぜ164なんだ。この生活の何が気に入らんというんだ私の循環器は。

     

     

    <本日の記録>

     

    リハビリ内容

    PT

    足の回旋後に、大きなボールの上で足を引き寄せ下ろす、左右に振る。左足付けねの筋肉に痛みはでなくなった。低いリハビリベッドから足を下ろす練習。布団から立ち上がるための練習なんだけど、左足を何とかどすん!と下ろし、右足は立ち膝で下ろす、それを左と同じように引っ張るんだけど、なかなか動かない。「やっぱ、ベッド買った方がいいよ」と強く勧められので、「夫」に「死ぬ程溜め込んでる本を手放すときが来た。命がかかってる、いい加減にしろ」とLINEを打つ 足をあげてがに股にしてそのまま静止。3秒持たない。バーの間に立ち、右足を半歩前、左足を半歩前に出してそれぞれ手を離す。片足立ちをする。左の片足立ちは数秒もつ。あとは全滅。これができないと杖なし歩行はできない。

    OT

    固い筋肉をほぐす(主に左臀部の痛み)上記のように骨盤の上げ下げに初トライ。あげたい気持ちはあるんだけど、気持ちだけでは何ともならん世界が人生のそこかしこにある日々である。

     

    自主トレ

    上記の通り

     

     

    体調変化など

    一日あとがきになってるので、詳細は忘れた

  • [都リハ] Day8 俺の人生がかかってるんだよ!

    昨日わたしの背後で作戦会議をしてた男性たちが、とうとう療法士にケンカを売ったみたいだ。

    「俺の人生がかかってんだよ!ただダメだって言うんじゃなくてよ、どこがどうダメなのか、どうすれば改善するのか、具体的に言えっつってやったの」

    彼らはみな、車に乗れるための訓練を受けているようだ。一番深刻なのが、車に乗らないと仕事にならない人。次に困ってるのが、日常生活で車が必要だけど、奥さんがペーパードライバーの人。その次は、趣味で車やバイクに乗ってた人。

    ケンカを売ってやったのよ!と息巻いてるのは、車に乗らないと仕事にならないオッサン。そりゃそうだ。稼がないと食っていけんもんね。

     

    彼らの不満は、療法士が、自分の何が良くないのかを伝えず、ただただ「まだあなたにはダメなんですよ」と言い続けてるからみたいだ。聞き耳をたててるわけじゃないけど、本当に大声なんだ。

    退院日が迫っている。クリアしないと車に乗れなさそうな訓練があるらしい。そこに進めない理由をちゃんと教えず、改善方法も教えない。そりゃオッサンもキレるわ。都ハにもそういう療法士がいるんだな。

     

     

    今日はリハビリ2時間の他に入浴とレントゲン撮影があって体力をもってかれてしまった。昼間に30分歩いたので、今日はよしとする。背中の痛みが強くなってるのはよろしくない。

     

    時々担当の療法士が変わるんだけど、いいもんだ。別の運動を指導してくれるから勉強になる。

     

     

    ウオーキングを短縮して浮いた時間で過去記事のリライトをするよ。あの人の乾き、昔の私を見ているようで切ないんだよな。だからついつい手を差し出したくなるんだ。余計なお世話焼いてるよなと思いつつ、優しい文章に書き換えるよ。

     

     

     

     

    <本日の記録>

     

    リハビリ内容

    PT

    「よくなるスピード、むちゃくちゃ速いっすね。ほんとに速い」「歩行器、爆速で歩いてたしw」と褒めてくれつつ。体幹が激弱なので、そこがどれだけ回復するかで、二本杖になるか一本杖になるか。バーの間で片足立ちすると、なぜか悪い方の足ならよろけずに立てる。右はダメだ。手術する前がそうだった。手術で悪くなった左足は回復しつつあるんだろう。だから手術前の歩き方が戻ってきてるのかもしれない。また軸足を左にして歩くことになるんだろうか。どの運動をしても、ほぼ左右差はないようだ。

    足の回旋 足を上げて足首をがに股風に曲げたまま静止 左足下に長いクッションをいれてごろごろ転がす 低い台に座り、膝を立てつつ床に両足をついて降りる。布団からの立ち上がり練習だそうだが、1度試しにトライしたあと、ベッドの方が絶対いいね。転倒したらとりかえしがつかないでしょ。本は捨ててもらって部屋にスペースを作ってもらいな、絶対に。そうなんだよ、そう遠くない未来を見越して、絶対に本を手放してスペースを開けてくれと言い続けて30年。「夫」はダメだ。人命より本の方が大事みたいだ。契約結婚を解消しとけばよかったかな。

     

    OT

    いつもの人とは違って、おそらく一番ベテランだと思う。メニューは昨日と同じ。「東大病院って減塩食でもファミレスレベルの食事ですよ」「そうなんですか!聖路加でもメシは不味いみたいですよ、珍しいですね、病院食がおいしいってのは」こんな話で盛り上がる

     

    自主トレ

    歩行器(アルコー)は午前中に30分

     

     

    体調変化など

    レントゲン撮影のために自分ひとりで1階に降りたついでに、あの階段にどんな風に昇れるように変化したか、そっと試してみた。入院日は両手で手すりを握り、手の力であがってた3段。今日は片手で手すり。そこそこ軽く握って昇り降り。1週間でここまできたか。でも、まだまだこれから。退院まで1ヶ月と3週間くらい残ってる。

  • 保護中: [都リハ ] Day7 談話室にはグチがあふれてる

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  • [都リハ] Day6 医療職と自己有用感

    医療人の養成に関わってきて思うのは、医師・コメディカル問わず一定の割合で、人の役に立つかどうかで自分の存在価値を図る子達がいたこと。逆の言い方をするなら、誰かの役に立ってないと自分には存在価値がない・愛されないと強く思っている。

     

    誰にでも大なり小なり誰にでもあることではある。自分が組織の中でどんなパフォーマンスをしているかで自己評価が上がったり下がったりする。しかし、私が問題だなと思うのは、恐らく幼少期に周囲の大人から、存在を正しく認められてこなかった子が、「私ってこんなに役立つんだから認めて」という気持ちで医療職を選んでいるケースだ。

     

    特に分かりやすいのは、用事もないのに講師室に入り浸る子たち。彼ら彼女らは、明らかに構ってほしくてそこにいる。マジメに授業準備をしている講師には不評だが、分かりやすいサインを出している分だけマシといえばマシ。

     

    問題なのは、そんな風に大人との接点を持たず、質問に来たとしてもムダ話をしない「心の乾いた」生徒である。これはコメディカルにもまあまあいるが、医師の卵、特に上位層の中に、結構な割合で隠れている。

     

    想像するに、彼らはなまじっか頭がよくて聞き分けのいい良い子なため、成長過程で大人が構ってやることが少ない。賢さを褒められることは多々あっても、人格を褒められたり、ただそこにいるだけで愛される経験をしてないんだな。勉強ができなかったら、叱るといった形で大人が気にかけてくれる。しかし、勉強ができて素行がいいと、あちこちで愛情から放置されるんだな。

     

    彼らは、自分自身でそのことに気づいていない。なまじっか努力家だから、人生も受験勉強もハードモードなのがデフォルト。人生を楽しんでるヤツはろくな大人にならないと信じている。

     

    私は講義をするだけの立場なので深く関わる機会を持たなかったけど、面談などをしている職員さんから時々聞いていた。予備校も人気稼業なので、親御さんに向かって「息子さんヤバいっすよ」なんて言わない。とりあえず褒める。だから親も気づかない。親の顔色を読むことに長けている本人は、なおさら分からないんだよあ。

     

    病棟に実習生がたくさん出入りするようになったこの時期になると色々思うんだ。自分が人の役に立ってることを証明するのを最優先課題として、その仕事を選ぼうとしてないか?自分を評価する自分なりの軸を持たないと、将来ガチで辛くなるんだぞと。

     

     

    <本日の記録>

     

    リハビリ内容

    PT

    大きなボールの上に両足をのせて、寝ながら前後・左右に10回ずつ 横向きに寝て足をあげ、がに股にして上げ下げ 二本づえ250m 出せるスピードの半分程度で、からだの使い方や重心のかけ方を意識する 左足を一歩前に出して座ったPTの方に手をおき、そのまま前に重心を移動。足の裏のどこに力をいれるのが正しいのかを身体で確認 PTの手のひらを足の裏で踏む 全体的に筋肉がついてきたとの指摘あり 実習生に指導しながらのリハビリ。埼玉県立大学のPT志望は、まあまあ賢い。

     

    OT

    固い筋肉をほぐす(今日は右足付け根の外側の痛み)ゴムに足をかけて踏み込む ゴムを膝で結んで膝を立てて横に足を倒す(ここまあでは左右差ほぼなし)同じ位置で膝は立てずに足を外側へ(左が少し弱いが筋トレで十分回復するレベル)ボールを膝に挟んで潰す 歩きながら骨盤の揺れをチェック(左の骨盤が若干外へ流れてる) バランスをとらないと座れない丸いお座布団に座り、足は床につけ、左右においた輪投げの輪を、片方からはずして頭の上で反対のてに渡し、輪投げの棒に通す・背中の後ろで渡して棒に通す 足をつかないとまだバランスはとれない

    ここでも、前の病院での筋力評価が1ランク低いとの指摘あり。からだの正しい動かし方を教わってないだけで、筋力そのものはおおよそ保たれているとのことだ。

     

    自主トレ

    歩行器(アルコー)にて、35分、20分、35分 合計1時間半の歩行に成功。足の裏に軽い痛みを感じたのでやめたが、まだまだ全然いけそうだ。腰はまだ少し曲がっているのがガラスに映った自分の姿からみてとれた

     

    体調変化

    コルセットをはずして就寝2日目 入浴あり 前回より足がしっかりしており、床で滑りにくくなったのではないか?とのこと。

     

    その他

    病棟内だけでなく、院内でも歩行器による移動にみまもりが不要に。切手が販売されポストもある。前の病院から郵便物を送るときは、師長が総務と掛け合ってなんとか郵便切手を郵便局で購入。ほんと大変だった。「ウチに入院するような患者は手紙なんか書かないの」マジか。でもこれが、老人を沈めている老人病院の実態でもある。

  • [都リハ ] Day5 自由と孤独はトレードオフ

    「親が敷いたレールの上を走っている人生なんて」って言葉を聞くたびに思う。君は、レールを敷いてくれる人間がいる幸せに気づいてない。それがどれだけきつくても。たとえ歪んだものであっても。君は一定の庇護の元で生きている。

     

    そして、レールを逸脱して生きている人間の自由を羨ましく思うんだろう。確かにな。相手のいいところばかりが見えるのは、お互い様だ。私には、答えがある人生がうらやましくてならないもの。

     

    私には人生の箱がなかった。私の自由は、箱やレールから逸脱して得た自由ではない。歩く道つまり生き方のモデルケースが全くなかったから、自分で道を作るところから始めた。周囲からは破天荒に見えてたかもしれない。その破天荒さをバカと見るか自由と見るか。周囲がどう評価しようと、自分で道を拓かないと生きていけない。周囲の評価を気にしている余裕がない。

     

    レールも箱も持たない人間には自由があるが、拠り所や生き方のモデルがないから孤独も抱えている。生き方の正解もない。その逆の人生を生きている人には、自由がなくて苦しい代わりに孤独はない。

     

    どちらがよいかは、その人の耐性次第。

     

    いま入院中でヒマしまくってるせいもあろうが、箱の中にいる幸せを感じている人を少し羨ましく思う。自由を是として生きてきた人間から、身体的な自由を奪われたら、そこに残るのは孤独だけなんだよ。切実に孤独だけ。

     

    行動するからこそ自由はが活きる。身体の一部とはいえ、自分が一番やりたいことができるかどうかの瀬戸際にあって、私は孤独と対峙し、この生き方に誇りを持つために切実にほしい自由を取り戻すべく、今日も心の中で孤独を必死に飼い慣らしながら、ただ歩く。ひたすら歩く。

     

    私がやりたいことは電車に乗れないと叶わない。ひとりで乗れないと叶わない。ソロ活元女子としては、誰かの付き添いつきで生きる人生は私の人生ではない。自分の人生を全うするだけの体力がほしい。

     

    私は、自分の人生を言葉に落として生きている。何があっても、言葉に変換できたら先に進める。子供の頃からそうしてきた。言葉は武器であり癒しでもあり。歩行自主リハビリの足を止め、心を文字に落とし込んでいる今。もうすぐ心の霧が晴れる。そろそろ歩こう。

     

     

    <本日の記録>

     

    リハビリ内容

    PT

    平行棒約10往復(完全にバーは持たず)座ってる時の重心修正(からだが反りすぎているのでお尻の骨の真上に重心を)大きなボールの上に両足をのせて、寝ながら前後・左右に10回ずつ 横向きに寝て足をあげ、がに股にして上げ下げ 二本づえ100メートル(10メートルを十秒で歩けないと横断歩道がわたり着れない。現在18秒)

     

    OT

    固い筋肉をほぐす(主に左臀部の痛み)ゴムに足をかけて踏み込む ゴムを膝で結んで膝を立てて横に足を倒す(ここまあでは左右差ほぼなし)同じ位置で膝は立てずに足を外側へ(左が少し弱いが筋トレで十分回復するレベル)ボールを膝に挟んで潰す 歩きながら骨盤の揺れをチェック(左の骨盤が若干外へ流れてる)

     

    自主トレ

    歩行器(アルコー)は5~10分に分け、痛む部分をかばいながら様子見

     

    体調変化

    夕食後は右臀部の痛みが強くなったので夜のウオーキングは中止。完全に状態を起こして歩ける。歩き続けているうちに腰痛が軽くなるのは血流改善のせいではないかとの指摘

     

    その他

    前の病院で身体の動かし方をちゃんと教わってないだけで、筋力自体はそんなに落ちてないとのこと。なんとかせめて両手杖で外出できるレベルにならんものか。昨夜から今日にかけて寝るときはコルセットをはずしたせいか、起きたときに左臀部に強い痛み。様子見とのこと。

  • 保護中: [都リハ] Day4 脳の記憶を塗り替えろ

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  • 保護中: [都リハ] Day3 三島由紀夫が叫ぶ病院

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